スペインの目利きがアジア杯の
森保Jに苦言。「バランスが悪い」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Sano Miki

 それから5分も経たず、日本は逆転に成功した。吉田麻也(サウサンプトン)のロングボールを原口がヘディングでつなぎ、長友佑都(ガラタサライ)がゴールラインぎりぎりで折り返したクロスを、大迫がファーポストで合わせて2点目。簡単なコンビネーションを使い、奥深くまで崩すことによって、軽やかにゴールを決めた。原口はシンプルな技術で有効な選択をしているし、長友は速さで深さを作った。日本らしさが出たプレーだった。

 また、後半26分にはゴール前での壁パスから堂安が左足を振り抜き、3点目を決めている」

 攻撃は力の差を見せたが、日本は終盤、1点差に迫られることになった。

「守備のバランスの悪さに関しては、修正ができていなかったということだろう。後半34分、自陣で不用意にボールを奪われた後だった。センターバックの吉田、槙野智章(浦和レッズ)は左右に開きすぎ、中央のスペースを敵に与えている。結果、最短距離での独走を許してしまった。あえて厳しく書くなら、GK権田も、もう少し我慢できたら、相手のドリブルは外に流れていたのではないか。

 問題はチームとして、守備の準備がおろそかだったという点だろう」

 ミスを見逃さず、改善点も明らかにしたエチャリは、この試合を締め括っている。

「初戦で勝利を飾れたことは収穫だろう。大会の滑り出しは簡単ではない。日本には十分に優勝を狙えるチーム力がある。ただ、どのような相手かにかかわらず、攻守のバランスを失ってはならない。いい攻撃は、いい守備によって生まれるのだから」

(オマーン戦に続く)

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