スペインの目利きがアジア杯の
森保Jに苦言。「バランスが悪い」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Sano Miki

 日本の選手はポジショニングが悪く、相手に優位を与えていた」

 前半27分、日本はアルスラン・アマノフのミドルシュートを浴び、先制点を奪われている。

「数的優位な状況だったにもかかわらず、守備の準備、反応が悪く、失点を喫している。GK権田修一(サガン鳥栖)も、シュートを予測できていない。"まさか"という雰囲気がそこに象徴されていたが、サイドではボールを取り切れず、ボランチも寄せ切れていなかった。

 その後も日本はリズムが悪かった。正面を破られたシーンがあったが、権田がファインセーブで防いでいなかったら、試合の天秤はどう傾いていたか。日本はボールを持っていたものの、主導権を握ってはいなかった。堂安律(フローニンゲン)、原口元気(ハノーファー)がサイドからカットインし、決定的なプレーをしようという試みは悪くない。しかし、渋滞を起こしている場所に突っ込んでいくだけで、罠にかかっていた。

 守りを固めた相手をどう攻めるか。それは大事なポイントである。しかし、そのために守備の準備、バランスを失ってはならない。敵が強くても、弱くても、だ」

 しかし、後半に入って日本は地力を見せる。大迫勇也(ブレーメン)、堂安のゴールで3点を奪い返した。

「誤解されがちだが、手数をかける=得点が入る、という式は成り立たない。事実、後半11分に原口から大迫へ絶好のタイミングでパスが入ったとき、大迫は周りを囲まれながら、高い精度のプレーを見せ、ほとんどひとりでシュートを決めている。

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