「全取っ替え」でよくなった日本代表。だが、西野Jと同じ轍を踏むな (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 サウジアラビア戦。「全取っ替え」は止めるべきである。ウズベキスタン戦に出場したフィールドプレーヤー10人中、半分程度は残すべきだ。具体的には、この日先発したCB2人(三浦弦太/ガンバ大阪、槙野智章/浦和レッズ)、SB2人(室屋、佐々木)、守備的MF2人(塩谷、青山敏弘/サンフレッチェ広島)、両ウイングの2人(乾、伊東)、そして2トップの2人(北川、武藤)のうちのどちらか、である。

 28日間で7試合を戦うアジアカップの道のりは、31日間で7試合を戦うW杯より厳しい。試合間隔は短い。19日間で6試合を戦う五輪の監督を兼ねるならば、なおのこと意識すべきだろう。「総力戦」。この日の試合後の会見でも口にした言葉だが、森保式および西野式総力戦は4、5試合で限界を迎える"弱者の発想"だ。

 さらに森保監督の場合、交代のタイミングも相変わらず遅い。この日、初めて行なった交代(乾→原口)は、ウズベキスタンのクーペルが3人の交代をすべて終えた5分後という遅さだった。そして、3度行なった交代の質も悪かった。

 1戦目、2戦目では交代枠(3人)さえフルに使い切らなかった。これを総力戦と認めるわけにはいかない。森保監督には、7試合目からの逆算に基づく計画性に富んだ総力戦をしてほしいものである。

 ウズベキスタン戦で、思いがけずつかんだこのいい流れを、日本はサウジアラビア戦、さらには準々決勝に活かすことができるだろうか。

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