メンバー大幅入れ替えの森保J。
第3戦を「ガス抜き」にしてはならない

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 右臀部を痛めている大迫勇也(ブレーメン)と腰痛のGK東口順昭(ガンバ大阪)のふたりは、ウズベキスタン戦も回避する予定だ。回復具合について大迫は「まあまあ」と、東口は「50%くらいには戻ってきた」と答えている。森保監督も「メディカルからこの大会中には復帰できると聞いている」と明かしたため、とくに大迫はノックアウトステージで戻って来られるのではないか。

 話をウズベキスタン戦に戻せば、メンバー変更について森保監督は「明日は日本の総合力を見せられる試合だと思うし、総力戦でこの大会を戦っていく意味でも、できるだけ多くの選手にプレーしてもらいたいと思っている」と意気込みを語り、「総力戦」という点に力を込めた。

 たしかに、グループステージ突破を決めたあとの消化試合で、メンバーの大幅な入れ替えはセオリーのひとつではある。

 だが、そこに危険性がないわけではない。

 出場機会のない選手たちを出場させるということは、裏を返せば、ノックアウトステージを見据えて、レギュラー組を休ませることでもある。つまり、大幅なメンバーの入れ替えは、レギュラー組とサブ組をはっきりと示す行為でもあるわけだ。ここまで交代枠を使い切らず、メンバーを固定してきたのだから、なおさらだろう。

 かつてセントラル開催のトーナメント戦において、「総力戦」という点で理想的な勝ち上がりを披露したチームがあった。ちょうど3年前にカタールで行なわれたリオ五輪アジア最終戦を制して優勝したU−23日本代表――手倉森ジャパンである。

 毎試合のように3〜5人くらいずつメンバーを入れ替えることで、レギュラーとサブの垣根が取っ払われ、コンディションのバラツキもなくなると、豊川雄太(現オイペン)や原川力(現サガン鳥栖)、浅野拓磨(現ハノーファー)といった、初戦でベンチスタートだった選手たちが次々と活躍していったのだ。本当の「総力戦」とは、こういうものだろう。

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