不安材料が残ったオマーン戦。森保Jの攻撃が停滞した原因はひとつだけ (4ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi photo by Sano Miki

 ただ、本来は日本の武器であるはずの連動性を放棄した消極的なサッカーだったと受け止めることもできる。もちろん、大迫が出場していればもう少し前線に縦パスを入れて攻撃のバリエーションを増やせたと思われるが、ほとんどボールに絡めなかった北川の特性をチーム全体で整理し、それを生かした攻撃パターンを準備しておく必要もあっただろう。

 相手のレベルが上がれば、単純なロングフィードだけで多くのチャンスを作ることはできない。そもそもこの手の戦い方は日本が苦手とする形であり、これまで森保監督はボールをつなぐことに重点を置いたサッカーを目指していたはず。結局、これまでの国内親善試合の切磋琢磨を捨てた慣れない戦い方は、後半になると相手が対応し始めたこともあって完全に破たんすることとなった。

 果たして、オマーン戦の後半は、森保ジャパンが発足して以来、もっとも乏しい内容の45分となってしまった。スコアはまだ1点差にもかかわらず、しかも後半77分のオマーンの2人目の選手交代まで相変わらずセンターバックがプレスを受けることもなかったなかで、日本の攻撃は停滞を続けた。

 原因はひとつ。単純に、吉田からのフィードが激減したからだ。

 後半の吉田のフィードはハーフライン付近に落ちてきた南野につけたパスを含めてもわずかに4本。かといって、それに代わって冨安、柴崎、遠藤から攻撃のスイッチを入れる縦方向へのパス供給が増えたわけでもない。これでは、後半最初のシュートまで35分もかかってしまうのも当然だ。

 また、サイドからのクロスについても、前半の6本に対して後半は3本のみ。しかもこの試合で見せた計9本のクロスは、1本たりとも味方に合わせられずに終わっている。カウンターを回避しながら攻めるときに必要とされるサイド攻撃が、後半になって半減しているという事実も含め、日本の攻撃面における反省点は多い。

 とくに後半のボランチ2枚はカウンターを受けまいと、攻撃のための動きが激減。これが1-0のまま残り10分、あるいは残り15分以降であれば理解はできるが、追加点が必要とされる後半開始から慎重な選択に終始したことが問題だった。

 ボールを受けられなくなった南野が下がってプレーする回数が増え、右サイドの堂安は集中的なマークでつぶされるようになると、もはや日本の攻撃に糸口はなくなっていた。間延びしたサッカーでは、当然ながら良いディフェンスもままならない。

 森保監督が日頃から口にする臨機応変、柔軟性といったフレーズが、選手任せの"ブレたサッカー"に変わった瞬間だった。後半の日本は超がつくほど弱腰で、そこに優勝候補の雰囲気を感じ取ることはできなかった。

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