2019.01.16

不安材料が残ったオマーン戦。森保Jの攻撃が停滞した原因はひとつだけ

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi photo by Sano Miki

 そしてこの試合のオマーンも、やり方は異なるもののしっかりと日本対策を打ってきた。4-2-3-1の布陣が守備時には4-4-2となり、2トップが日本のダブルボランチをマーク。日本のセンターバックに対してはあえてプレスに行かず、あくまでもボランチからの中央方向への縦パスをケアし、その受け手となる北川、南野、堂安、原口へのパスコースを塞ぐことで、日本の攻撃を封じにかかった。

 そこで日本は、初戦の反省からか、無理に縦パスを入れることなく、オマーンがプレッシャーをかけてこないセンターバックを起点に攻略。中盤を省略し、最終ラインから相手ディフェンスラインの裏を狙ったロングパスによって多くのチャンスを作った。

 たとえば攻撃のスイッチ役であるボランチの柴崎岳(ヘタフェ)が、前半に出した縦パスはわずかに4本。それに対して、センターバックの吉田の縦パス(ロングフィード含む)は、サイドへのものも含めて前半だけで13本を記録している。3本だったセンターバックの冨安、あるいは4本だったボランチの遠藤と比較しても突出していた。

 そのなかで生まれたのが、26分のシーンである。吉田の左サイドへのロングフィードから、原口が中央へドリブルして堂安にパスすると、堂安からのダイレクトパスを受けた南野がシュート。これはGKに弾かれたものの、詰めた北川をかすめたルーズボールを原口が拾ったところで、日本の先制点につながるファールとなった。

 ファールの位置、接触があったかどうかも含めて疑惑の判定となったわけだが、少なくとも日本にとっては相手のカウンターを回避すべくロングパス中心に攻めたことによって得られたPKだったことは間違いなかった。

 逆に、日本が前半で迎えたピンチらしいピンチは2度。そのうち1度目(20分)のものは、この試合で相手の危険なカウンターを受けた唯一のシーンだった。

 これは南野が相手ペナルティエリアで囲まれてボールを失ったところから始まったカウンターだが、そのとき15番ヤハマディがドリブルで前進した広大なスペースは、本来は遠藤がカバーできるポジションをとっておくべきだった。2対2となった後の吉田と冨安、そしてGK権田修一(サガン鳥栖)が対応できたので失点を免れたが、レベルの高い相手であれば1点もののシーンだった。

 いずれにしても、前半終了間際の長友の疑惑のハンドのシーン以外、危なげなく戦えた前半をあらためて振り返ると、初戦の修正点、とりわけ相手のカウンターに対する備えに重点を置いた戦い方だったと捉えることができる。