アジアカップ苦戦の要因を整理。森保Jが修正すべきポイントは? (5ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Sano Miki

 さらにもうひとつ気になった点としては、11月の2つの親善試合同様、この試合でも可変式の3-4-2-1を封印したことだ。果たして、アジアカップでは4-2-3-1のみで戦い抜くつもりなのか。それとも、決勝トーナメント以降の勝負どころで使おうと考えているのか。これも、注意深く見ておく必要がある。

 いずれにしても、攻撃が修正されたことで3-1とリードを広げた日本だったが、守備面とその後のゲーム運びには多くの課題を残すこととなった。

 ほぼ反撃能力を失いかけていたトルクメニスタンに息を吹き返すきっかけを与えたのは、78分に自陣左サイドでのスローインの後、途中出場の北川航也(清水エスパルス)が相手2人に挟まれてボールロストしたところから、最終的に相手にPKのチャンスを与えたシーンだった。

 結果的にこのPKで3-2と詰め寄られたわけだが、ボールを失った北川はもちろん、この場面では油断して17番アンナドゥルディエフとの距離を空けすぎていた槙野の対応にも問題があった。前半から散見されていた吉田と槙野の距離感、連携の修正は急務だ。次のオマーン戦でもこのコンビが出場するとしたら、ここも注目ポイントとなる。

 しかしそれ以上に問題視されるべきは、3-1とした後の戦い方だろう。

 相手が戦意を失いつつあったその時間帯、日本は攻撃の手を緩めてゲームをコントロールする必要があった。一本調子で真面目に攻め続けた結果、相手に反撃の隙を与えて1点差に詰め寄られ、さらに反撃のチャンスを与え続けてしまったからだ。

 アディショナルタイムにトルクメニスタンの猛攻を受け、あわや同点に追いつかれてしまいそうな展開になってしまったことは、自業自得と言わざるを得ない。

 それこそが、楽に勝てる試合を自ら難しいものにしてしまった最大の原因であり、もっと言えば、それはベンチで指揮を執る森保監督の責任が重い。

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