アジアカップ苦戦の要因を整理。森保Jが修正すべきポイントは? (3ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Sano Miki

 ほぼ全員が敵陣に入って崩しにかかっているときの日本の陣形は2センターバックを最後尾とする2-4-4。これに吉田麻也(サウサンプトン)も持ち上がってビルドアップに参加したときは、槙野智章(浦和レッズ)ひとりが後方に残ったかたちになる。トルクメニスタンにとっては、そこがカウンターの狙い目になっていた。

 まずは立ち上がり4分。柴崎が左から中央の大迫に入れた縦パスを、大迫がコントロールミスしてロストした直後のシーンだ。ボールを奪った7番アマノフが、左のオープンスペースに走り込んだ9番オラジャヘドフへ素早くロングパス。

 幸いオラジャヘドフが逆サイドに入れようとしたボールが対応した槙野に当たったことでピンチを免れたが、これが逆サイドに入ってきた8番ミンガゾフに通っていれば決定機になっていたはず。そして、これがその後のロングカウンターの伏線となった。

 17分には柴崎が南野を狙って入れた縦パスがインターセプトされたところからロングパス1本でチャンスを作られ、さらに26分には堂安のミスパスで始まった相手のカウンターから、最後はルーズな守備により日本が先制点を献上。トルクメニスタンにとっては、攻守に渡って狙いどおりのプレーができた前半45分となった。

 トルクメニスタンの術中にはまりかけた日本は、しかし後半に入ると戦術を修正。縦パスによる中央攻撃をあきらめ、ロングパスを使ったサイドチェンジや吉田からサイドに展開するロングフィードによって、サイドから相手守備陣を揺さぶる作戦に切り替えた。

 攻撃の起点がサイドに移ったことにより、強固だったトルクメニスタンの守備陣形も横に広がり、少しずつ中央にスペースが生まれ始める。同時に、日本は後半49分に左から冨安が、同じく50分と51分にも左から長友が、続けて52分には堂安が右から中央にボールを供給し、立て続けにサイド攻撃でチャンスを構築。明らかに前半とは異なる方法でトルクメニスタンを攻略し始めた。

 そして56分。左からドリブル突破を図った原口がカットインして、中央の大迫へクロスをつなぐと、大迫が反転してテクニカルなゴールを決めて同点。さらにその4分後には吉田の左サイドへのロングフィードから原口が頭で内に落とし、インナーラップした長友が相手と入れ替わって中央にクロスを送ると、詰めた大迫が無人のゴールにプッシュして逆転に成功する。まさに怒涛の連続サイド攻撃だった。

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