森保一監督の手腕が試されるアジア杯。
日本は決勝まで進めるのか

  • text by Sportiva photo by Sano Miki

杉山 決勝トーナメントの組み合わせがカギになるけど、ゲームを支配しながらもPK戦負け、というのは十分あり得るでしょう。

浅田 今回の日本代表も、そのときのような強さを見せてくれる可能性はありますが、やはり7試合あったらどこかで脆さが出る可能性のほうが高い。メンバーを見ても、4年前はドルトムントの香川真司にしても、インテルの長友佑都にしても、かなり高いレベルのクラブでずっとやってきた選手がいました。今回、期待をかけられている南野拓実(ザルツブルク)や堂安律(フローニンゲン)ですが、言ってみれば、それよりはだいぶランクが下のほうのクラブでしか、やっていないわけです。

杉山 こういう大会で怖いのはパニックになることです。パニックになりやすい選手というのがいるんですよ。とくに決勝トーナメントに入ると、焦って失敗したり、試合の途中で熱くなってしまったりするようなタイプがいて、それは親善試合ではわからない。若手には大きな国際大会はこれが初めてという選手も多いし、そういう性格が露呈する場面もあるかもしれません。日本の場合、そもそも監督がこういう大会が初めての経験だし、ベテランのなかにも結構、危ないのがいますからね。

浅田 そういうことも含めて、今回の日本代表は楽しみだと思うんです。脆いから不安があると、必ずしも否定的に言っているわけではありません。「ここに頼ればいい」というものがない日本代表が、久々に見られる。怖さもあるけど、可能性もある。どっちもあり得るという意味で「楽しみ」です。





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