アジア杯は日本代表のここを見よ。柴崎・遠藤の信頼性、大迫の代わりは? (3ページ目)

  • text by Sportiva photo by Sano Miki

 また、佐々木翔(サンフレッチェ広島)は、どう見てもプレーエリアが低いんです。僕には佐々木という選手はスリーバックの左というイメージがあって、実際にヴァンフォーレ甲府ではそこをやっていたし、広島が今季、スリーバックで戦った時もそうだった。うまいへた以前に、左ウィングの選手と高い位置で絡む姿が想像しにくい選手です。

浅田 左より酒井宏樹(マルセイユ)、室屋成(FC東京)の右のほうが、ハイレベルでの層の厚さがありますね。あと、この大会でポイントとなるのは守備的MF。ズバリ、遠藤航(シント・トロイデン)がひとり立ちするかどうかです。このポジションは長らく遠藤保仁、長谷部誠に頼ってきたところがあって、そのツケなのか、若い選手が出ないまま今に至ってしまった。柴崎岳(ヘタフェ)にしても、継続的に主力として使われてきたわけではなくて、ロシアW杯で初めて中心選手となり、それがそのまま続いているわけです。

 秋に行なわれた親善試合での遠藤を見ていると、前との連係も悪くないし、縦に入れる感覚も悪くない。その遠藤が、相手が日本に一泡吹かせてやろうとシビアにやってくる試合で頼りになるかどうか。リーダーシップみたいなことも含めて、彼が主力として収まるかどうかは大きいと思います。

杉山 前の4人に比べると、このポジションは、スペインでほとんど出られていない柴崎を含めてまだ定まっていませんね。この時期に定める必要はないと思うけど、柴崎にしても遠藤にしても、どこまでできるのか見えていないんです。見えていないゾーンが若干でもクリアにならないと、先に進めない。

「遠藤、確実に使えるね」「柴崎でいける」というムードを、2人のうちどちらかが漂わせないと、また1から探さなければならなくなってきます。前の4人がどれだけ強力でも、守備的MFが弱いとサッカーは始まらない。攻める人と守る人に二分される、前時代的なサッカーになる。ここが活躍しないとアジア杯でも苦戦するし、成績に比例するんじゃないですか。

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