「自分の実力不足なのに他人のせいにしていた」三好康児の危機感 (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 高橋茂夫●撮影 photo by Takahashi Shigeo, AFLO

―― ミシャさんにしかないアイデアとは?

三好 たとえば、自分が(3-4-2-1のワントップ下の)シャドーで、逆サイドにボールがあるとき、普通はダイアゴナルに中に入っていくものですけど、ミシャさんはダイアゴナルでも、ゴールから遠ざかるほうに行けと。そうしたら、相手のマークが簡単に外れるからと。

 そう教えてもらって、視野が広がりましたね。自分もボールのほうに行きたがるタイプだったので。中盤に落ちるときも、ボールに寄りながら落ちるんじゃなくて、ちょっと離れて落ちるとか。自分とボールだけの関係じゃなくて、相手の位置も見ながら。そういうのは面白いです。

―― 話を聞いていると、もともと出場機会を求めて札幌に来たと思うけど、想像していた以上のものを得られたのでは?

三好 そうですね。それに、これだけ上位争いができるとも思っていませんでした。もちろん、上位争いをしたいと思っていましたけど、厳しい戦いになる可能性は高いと覚悟していたので。これだけ勝利を重ねられたことで、チームも僕自身も自信になりました。あと、監督との出会いも大きかったですね。

―― 2018年が充実したシーズンだったからこそ、あえて聞きますが、去年はなぜ、スランプに陥ってしまったのか。

三好 そうですね。去年はシーズンを通して、最悪でしたね。

―― 考え過ぎた?

三好 何ですかね。

―― 2016年シーズンはかなりインパクトを残したのに。

三好 2016年の後半戦はとくに手応えがあったから、去年は川崎でレギュラーを獲るつもりでシーズンに入ったんです。でも正直、自分よりうまいと思う選手、アキさん(家長昭博)や阿部(浩之)ちゃんが入ってきて。アンダーの代表の活動もあって、いろいろ難しかったというか。

 一時、自信をなくした時期もありました。練習でも、どうせ試合に出られないんだろうなと思って、身が入らない時期もありましたし。取り組む姿勢が悪くて、そのままズルズルいってしまった。それが去年の反省点です。

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