自分のことを誰も知らない土地に移籍。三好康児には覚悟がある (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 高橋茂夫●撮影 photo by Takahashi Shigeo, AFLO

―― 気持ちの維持が難しいということですけど、チームが負けたり、自身がミスをした時の気持ちの切り替え方も、試行錯誤したのでは?

三好 そこは今年、すごく考えたというか。ずっと点が獲れなくて、そこと向き合わなければならなかったので。それでも使い続けてもらったのはうれしかったけど、悔しさもあり、怖さも感じていました。

―― 怖さというのは?

三好 これだけ使ってもらって結果を出せないと、先がないので。コンディションを維持する難しさもあって、よくないプレーが続いていた時期は悩みましたね。

―― 逆に、どうして終盤に入ってゴールを奪えるようになった?

三好 僕、いつも終盤になると、調子がよくなるんですよ。今年もキャンプでしっかり準備ができて、シーズンの入りも悪くはなかった。でも、連戦が続いてコンディションが落ちてくるにつれて、気持ちも疲れてきて。それで終盤になって、ようやく上がっていく。毎年こんな感じで、それは課題ですね。

―― ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は我慢して使い続けてくれたけど、それこそヨーロッパのクラブだったら、1、2カ月で見切られてしまう可能性もある。

三好 そうですね。それに、「ミシャさんは使ってくれる」と安心していたわけでもないですし。他にいい選手がいれば、代えられるのは当たり前。なので、いつ切られてもおかしくないという怖さは感じていました。ただ、そんなことばかり考えていても......。

―― 考え過ぎず、次、次という感じで?

三好 考えるときは考えるんですけど、その結果、考え過ぎないほうがいいな、という結論にいつも行き着くというか(笑)。調子が悪い要因は何かと考えてみると、いろいろと考え過ぎて選択肢が多くなって迷っていることが多い。もっと感じたままにやればよかった、というシーンがたくさんあって。

―― 本能の赴(おもむ)くままに?

三好 そうですね。ただ、考え過ぎる必要はないという答えも、考えた末に行き着くもの。考えないと、その答えにはたどり着けないので、決して無駄じゃないと思います。

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