自分のことを誰も知らない土地に移籍。三好康児には覚悟がある (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 高橋茂夫●撮影 photo by Takahashi Shigeo, AFLO

―― 意識的にしたわけではなく、無意識のうちに?

三好 そうですね。しゃべる内容を変えようと思ったことはなくて、自分が感じたことをそのまま話していただけなので。

―― 8月のアジア大会でも、敗れたベトナム戦のあとに「もう子どもじゃないんだ」と言ったり、韓国との決勝の前に「自分たちも人生をかけている」と言ったり。聞いていて、ゾクッときました。

三好 本当ですか!? 立場が変わって、責任というのを感じるようになったのかな、と思います。

―― 川崎時代は寮生活でしたが、知らない土地でひとり暮らしをしてみて、自立というか、ピッチ外における意識も変わった?

三好 そうですね。川崎時代は食事に関して任せきりで、栄養についてそんなに考えることはなくて。でも、今年はひとり暮らしになって、朝は自分で作るようになったし、献立も、量も、自分で考えるようになって楽しいです。今まで身体の変化を気にしていなかったわけじゃないですけど、これまでよりも意識するようになったと思います。

―― 外食する場合は、どんな人たちと?

三好 こっちに知り合いがあまりいないので、選手同士で行くことが多いですね。チャナ(チャナティップ)とか、菅(大輝)とか。上の人たちに誘ってもらうこともあります。とくにトクさん(都倉賢)はけっこう誘ってくれますね。逆に、下を連れて行くことはあまりないですけど(笑)。

―― 先ほど「いいところも、悪いところも出た」と。試合に出続けることで、どんなことを感じました?

三好 難しさを感じた、というのが正直なところです。これだけ試合に出させてもらうと、コンディションの維持も、気持ちの維持も難しかったです。代表の活動も多かったので。川崎のとき、(小林)悠さんや(中村)憲剛さんが常に結果を残していて、すごいなと漠然と思いながら見ていましたけど、自分だって使ってくれればやれるよ、とも思っていて。

 でも、今年試合に出させてもらって、結果を出し続けるのは本当にすごいこと。それを何年も続けるなんて、想像がつかないくらいすごいなと、違うチームに来てあらためて感じました。

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