なでしこJの監督は新戦力探しに意欲的。レギュラー争いが熾烈すぎる (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 その中には、所属する日テレ・ベレーザで、そして世界の舞台を経験し、著しい成長を見せている植木理子の名前もあった。彼女の魅力はやはりその決定力にある。どんな体勢であっても、ゴールへねじ込む"強さ"は、今なでしこジャパンにとって喉から手が出るほど欲しい要素だろう。U-20女子ワールドカップでも5ゴールを挙げる活躍を見せたが、それでも本人は納得していない。

「決勝で点を獲っていないというのは、悔しかった。チームが優勝したことはうれしいことですが、個人としてはまだまだだと思う大会でした」(植木)

 だからこそ、うまさよりも、決めることを何より重要視する。

「GKがここで打つだろうと予想するタイミングを外して、シュートを打つことは心がけています。強いシュートでなくてもタイミングでゴールは生まれるので」(植木)と、豪快なゴールを想像させるプレーとは異なり、至って冷静。彼女が目指すストライカー像は実にシンプルだ。"大事な試合で点を決められる選手"――そこへ辿りつく近道はない。「すべてが積み重ね」なのだと語る。そして最後に「積み重ねます!」と植木は笑顔を見せた。

 同じくヤングなでしこから招集された林穂之香(セレッソ大阪堺L)も、地元男子高校3年生との練習試合では得意のミドルシュートを決めるなど、的確なポジショニングと素早い判断力を発揮、初なでしこ入りを目指す若手が全力アピールした。

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