森保監督の指揮で得点感覚を取り戻した岩崎悠人の苦悩。「これも修業」 (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 牛島寿人●撮影 photo by Ushijima Hisato, Sano Miki

―― どんなきっかけで?

岩崎 特別なきっかけがあったわけではないんですけど、今シーズンは苦しい時期が続いていて。前半戦も試合には出ていましたけど、チームとして結果が出なくて監督が交代したし、自分自身も思うようなプレーができなくて。周りからも厳しいことを言われたりして、プレーが縮こまったり、メンタル的に落ち込んでしまったり。

 でも今は、あの半年間があって、すごくよかったなって思える自分がいる。あの半年で、何がアカンのか考えたし、メンタルの保ち方とか食事の面でも、試行錯誤したのがよかったかなって思います。

―― それでアジア大会では、伸び伸びとプレーできて、本来持つ力を発揮できたと。

岩崎 アジア大会に関しては、森保さんが「自由にやっていいぞ」と言ってくれて、すごくやりやすかったんです。自分のよさを出せばチームに貢献できるんだっていうことに、あらためて気づかせてもらえたなと思います。

―― 実は、試合に出られなくて落ち込んでいるかなとか、よくないタイミングでインタビューを申し込んでしまったかな、なんて思っていたんですけど、かなり笑顔で話してくれるので、いい意味で驚いています。

岩崎 本当ですか(笑)。もちろん、悔しいですよ。でも、落ち込んで私生活が乱れても意味がない。やることをちゃんとやって、コンディションを落とさんとこうって思いながら練習しています。

―― やり続けて評価を覆すしかないと。

岩崎 はい。実はアジア大会の期間中から、帰ったらポジションないやろな、と思っていたんです。大会期間中に京都のサッカーが変わって、ロングボールが増えたんです。そのなかで自分がどんなプレーをすればいいかイメージが湧かなかったので、帰国したら難しいやろなって。気持ちを保てているのは、そういう覚悟ができていたから、というのもあると思います。

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