福田正博が指摘。アジアカップへ向けて森保Jにはまだ新戦力が必要だ (2ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro photo by Matsuoka Kenzaburo

 その森保ジャパンにとって最初の真剣勝負が、来年1月にUAEであるアジアカップになる。メンバー入りできるのは23選手で、フィールドプレイヤーは各ポジションで2名ずつが選ばれるはず。そこで大迫のバックアップに期待したいもうひとりのFWが、鈴木優磨(鹿島アントラーズ)だ。

 今季、鹿島で大きく成長した22歳のFWは、11月の親善試合に招集されていたがケガで代表を辞退。まだ一度も森保体制下でのプレー経験はなく、また、生粋のポストプレイヤーではないものの、彼には他の日本人FWにはない魅力がある。ゴールに対して貪欲で、ギラギラした野心あふれる彼のプレースタイルは、タイトルのかかった真剣勝負の場で森保ジャパンに新たな化学反応をもたらすのではないかと考えている。

 また、ベネズエラ戦、キルギス戦で、堂安も替えの利かない選手になりつつあることがよくわかった。森保監督が敷く4-2-3-1の特徴は、両ワイドMFが中央に絞ってプレーし、空いたサイドのスペースをSBがオーバーラップして使うことにある。そのなかで左利きの堂安は中央に向かって細かいドリブルやパス交換からゴール前に入ってきてシュートを狙う。その意味で、左利きで同じような特徴の選手が見当たらないのが現状だ。

 右MFには、堂安のほかに伊東純也(柏レイソル)がいる。右利きの伊東は中央に絞ってプレーするよりも、縦への突破が武器の選手で、スペースが必要なタイプ。特長が明確な選手だけに、国際大会では欠かせない戦力であるのは間違いない。伊東は持ち味のスピードを活かしたサイド攻撃からのチャンスメイクが貴重な武器であり、試合展開に応じて流れを変えるジョーカーになりうる。

 また、右利きの中島が入る左MFにはW杯ロシア代表組の原口元気(ハノーファー)や、森保体制下では未招集ながら乾貴士(ベティス)もいる。彼らはスタメン起用されても力を発揮できるだけの経験もあるし、ドリブルという武器もある。そのほか、トップ下の南野の代わりは実績十分の香川真司(ドルトムント)、2トップにすれば武藤嘉紀(ニューカッスル)をFWに起用する手もある。

 アジアカップはグループリーグでトルクメニスタン、オマーン、ウズベキスタンと対戦し、優勝するためには決勝まで7試合を戦う必要がある。開催地のUAEは暑く、連戦に備えてターンオーバーを敷いて戦えるチームをつくっておきたい狙いもあって、キルギス戦ではベネズエラ戦からメンバーを入れ替えて臨んだのだろう。

 キルギス戦は狙いどおりの結果になったとは言えなかったものの、収穫もあった。ボランチで初先発した守田英正(川崎フロンターレ)は攻守で存在感があった。彼は今シーズンのJリーグでもっとも成長した選手のひとりで、その勢いを日本代表でも発揮してくれた。

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