2列目トリオにどこまで迫れるか。北川航也がブレイクする日は近い (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 目に見える結果を出したことで、代表定着へのアピールにつながったのは確かだろう。ただし、この日はシュートゼロ。これまでの2試合に比べ、自身がゴールに迫るという積極性に欠けた印象も否めない。

「ゴールがすべてじゃないと思うし、いろいろな面でチームに貢献できることもある。ただ、FWである以上、得点は必要ですけどね」

 この日は2列目に入ったこともあり、チャンスメイクの意識が強すぎたのかもしれない。同じポジションを争う南野は、すでに森保体制下で4得点。この日も20分足らずの出場時間で、チーム最多の3本のシュートを放っている。

 北川も本来は、ストライカーである。プレースタイルは異なるとはいえ、代表定着のために求められるのは、南野のような意識なのかもしれない。

「途中から入ってきた選手との差は、やっているなかで感じられた」

 北川はレギュラー陣との差を認めている。

「すべてにおいてのスピードがやっぱり違う。(堂安)律にしても、サコくんにしても、(原口)元気くんにしても、(中島)翔哉くんにしても、(南野)拓実くんにしてもそうですけど、前線のクオリティが格段に上がった。それは外から見てもわかることだったし、そのなかでも自分が遜色なくやる必要があると思う」

 手ごたえを掴んだ一方で、今後やるべきことも見出した。今は差があっても、その差を感じ取れたことこそが、今回の代表活動における最大の収穫だろう。高いレベルに身を投じることで、急激な成長曲線を描くケースは少なくない。

 まだ22歳である。伸びしろが大きいぶん、さらなる飛躍を遂げる可能性は十分だ。

「やれると思うし、前回に比べたら今回のほうが絶対いいと思っている。段階を踏めている以上、自分の成長を止めることがないように、さらに上を目指してやれればと思います」

 北川があの3人に迫る存在となれるかどうか。真のブレイクの時は、近い。

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