1軍と2軍が明確になった森保ジャパン。アジアカップに向けて悪材料 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Naoki Nishimura/AFLO SPORTS

 チームは2分された状態にあったのだ。西野監督は1戦1戦、少しずつ代えるという芸当ができなかった。Bで臨んだポーランド戦は一世一代の大博打を敢行。試合には0-1で敗れたが、グループリーグはなんとか通過。結果オーライと言うべき産物を得た。

 AかBか。1軍か2軍か。チームがこうなってしまうと、3試合目で青息吐息になる。博打に成功した西野ジャパンは4試合目まではもったが、それ以上はおそらく無理だったろう。Aの先発メンバーは疲労で余力のない状態にあった。

 アジアカップで日本が目指すのはベスト16入りではない。ベスト8でもない。ベスト4以上。7試合を戦うことが最低のノルマになる。そこから逆算すれば、ウルグアイ戦、ベネズエラ戦、キルギス戦の戦い方は不合格になる。なぜ少しずつ代えなかったのか。答えが見えたら、なぜ、それにばかり固執するのか。功を焦っている気がしてならない。たとえウルグアイに4-3で勝利しても、監督の姿勢が垣間見えると喜ぶ気は失せるのだ。

 キルギス戦の後半、1軍のメンバーが登場して2-0だった試合を4-0にしても喜ぶ気は湧かない。むしろ心配になる。中島、南野、堂安を「攻撃の3銃士」と呼んで勝手に盛り上がろうとする世論と森保監督とが同レベルに見えてしまうのだ。

 しかしその「3銃士」にも、問題は見え隠れしている。中でも右を務める堂安だ。彼は左利きなので、気がつけば内に入り込もうとする。伊東純也(柏レイソル)が出場している時のほうが、縦への意識は強かった。サッカーを俯瞰したとき、どちらの方がデザイン的に整ったものに見えるかといえば、伊東の方だ。右SBとのコンビネーションプレーでも伊東のほうがいい。

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