代表でも欠かせない、チームを「助けたい」という原口元気の気持ち (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by KYODO

 ハノーファーはアンドレ・ブライテンライター監督のもと、中位以上の成績を目標に今季をスタートさせた。だが、蓋を開けてみればまるで勝てず、第11節を終了した現在でまだ2勝と、16位に沈んでいる。その2勝目が、今回の代表ウィークが始まる直前のヴォルフスブルク戦だった。

 そのヴォルフスブルク戦で原口はベンチからスタートし、出場は87分からだった。それまで3試合はフル出場していたが、結果は1分け2敗。原口のチーム内での立場もまだ確立されているとは言い難い。チームも自身も、ともに苦しい時間を過ごしている。

 ハノーファーは第10節でシャルケと対戦している。シャルケは今季、チャンピオンズリーグに出場してはいるが、リーグ戦は14位と、こちらもうまくいっていない。そんなシャルケを相手に3-1と完敗。失点はゴール前でのミスが重なったことが原因だった。

 試合後の原口は、長いため息をつきながら、必死に前を向こうとしていた。

「ムードはどう考えてもいいわけがない。ただ、ピッチに入って試合になった瞬間、バラバラにならず、全員が努力している。十分走っていますし、戦えている。これでひとりひとりがサボりだすと収拾がつかなくなるので、いまやれていることを続ける。攻撃の選手も、全員で守っているのを助けるようなことをしなければいけない。自分も、ポジションが変わることもあって難しい部分もあるんですけど、今日に限っては、前でチャンスをもらえたので、何かひとつはしたかったですけど......」

 この日の原口は、もっとも得意なはずの3トップの左で起用されていた。3本のシュートこそ放っているが、惜しいと言えるほどのものはなかった。攻撃に専念することができるポジションを「やりやすかった」とは言うが、結果は出せなかった。さらに、10番を背負う責任も感じている。

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