高倉監督にも手応え。なでしこジャパンの変化は着実に実を結んでいる (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 三浦と組んだのは、鳥取に入ってからの練習でも組んでいなかった宇津木瑠美(シアトル・レインFC)。互いに低い位置で状況を見極めるタイプの2人だが、立ち位置を意識しながら三浦は前線の高い位置で岩渕とのワンツーパスからフィニッシュを伺うなど、攻撃にも参加。次のシーンには、宇津木がサイドからのパスをペナルティ付近で得ようと走り込むなど、これまで以上に攻撃的なプレイが見られた。

「自分が一番ボールを触ってさばいてリズムを作ろうと思っていましたが、単純なパスミスも多かった......。でも、るーさん(宇津木)とお互いにパス交換できた場面もあったのでよかったです」とは三浦。後半には、新戦力でU-20世代の主軸である長野風花(韓国・仁川現代製鉄)と組み、長谷川がトップ下に回ったことで、馴染み深い4-1-4-1に似た環境下で大いにボールに絡みまくった。

 一方で課題もあった。ノルウェーの攻撃の核であるキャロライン・グラハム・ハンセン(10番)への対応だ。飛び込んでかわされて逆を取られたらやっかいなことになる。選手たちが選んだのは"あえてボールを持たせる"ことだった。そこから二手先で奪えればという算段ではあったが、その前のボールの奪われ方がマズく、想像以上にいい形でハンセンにボールを持たれてしまっていた。

「2つ目の(プレイの)足が思った以上に速くて、逆に後手になってしまうところがあった。慣れてなかったのもありますけど、そこはもう少しうまく競り合えたら(抑えることは)できたと思う」(三浦)。

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