森保監督の志向を代表に呼ばれなくなった選手の顔ぶれから読み解く (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Fujita Masato

 とはいえ、所属クラブで香川同様、出場機会が得られなくても、森保ジャパンに招集されている選手もいる。

 香川と同じ29歳の吉田麻也はその最たる例だ。サウサンプトンでの出場機会は今季わずかに1試合。辻褄は合っていない。この状態はどこまで続くのか。クラブでの先行きは代表選手としての先行きと一致する。今後も代表でのプレーを望むなら移籍は必須になる。

 一方、ロシアW杯でセンターバック(CB)として吉田とコンビを組んだ昌子源は、故障から復帰。鹿島では数試合前から出場をはたしている。コンディションは上がっているとは言えないが、実戦経験は積めているので、呼んでみる価値はあるはずだ。

 吉田を呼ぶなら昌子も、という気もするが、CBには森保監督の秘蔵っ子、槙野智章がいる。若手の冨安健洋(シント・トロイデン)も活性化のためにも入れておかなければいけない。となると、昌子の居場所はなくなる。25歳の昌子より、31歳の槙野と所属クラブで試合に出ていない吉田。このプライオリティは今回限りなのか。今後もまだ続くのか。

 さらにロシアW杯で大活躍した乾貴士は森保監督から過去3度、一度も招集されていない。相性の悪さを感じる。現在30歳。そして同じポジションに中島翔哉が台頭したことで、戻りにくい状態にあることは確かだが、このまま代表からフェードアウトしていくには惜しい人材だ。

 所属クラブでは試合にはコンスタントに出場しているにもかかわらず、招集されないのが、山口蛍と植田直通、そして武藤嘉紀の3人だ。これも監督との相性の悪さを感じさせる事例だ。

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