五輪世代・立田悠悟は、
森保監督が落とした雷で「スイッチが入った」

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki, AFLO

―― アジア大会を見ていて感じたのは、立田選手が試合を追うごとに、チャレンジの縦パスや対角のロングフィード、前へのアプローチを成功させていたこと。やりながら成長を感じられたのでは?

立田 プレー面の成長は、大会中はわからないんですけど、責任感が増す感覚はありました。ミーティングで森保監督から、失点につながった場面だけじゃなく、失点につながらなかったミスでも映像を使って、「(ミスを)絶対になくさなきゃいけない」と指摘されて、重要なポジションを任されているんだという責任感が増していったんです。でも、相手が強くなるに連れて楽しさも感じられた。そういった面では自分の成長を実感しました。

―― グループステージ第3戦のベトナム戦のハーフタイムには、チームの臆病な戦いに対して、森保監督が雷を落としたそうですね。

立田 そうですね。

―― びっくりした?

立田 いや、そうなるだろうな、という感じはしていました(笑)。

―― あのひどい内容だと。

立田 監督が机を叩いて、「何をやっているんだ!」って。そのとおりだと思いました。あれでスイッチが入ったので、監督に感謝したいですし、それまでスイッチを入れられなかったことは本当に反省しなきゃいけない。うまくいってないときは、自分たち後ろの選手がもっとリーダーシップを取らないといけないと、あの試合で強く感じました。

―― たしかに、決勝トーナメントに入ってから、最終ラインからロングボールを蹴って、前線の前田大然選手(松本山雅)や岩崎悠人選手(京都サンガ)を走らせるときと、しっかりとパスをつなぐときとのバランスがすごくよくなりました。そのあたりはかなり意識していた?

立田 僕と原輝綺(アルビレックス新潟)は「戦術・岩崎悠人」とか、「戦術・前田大然」と言っていたくらいだったので(笑)。それくらい割り切ってやってもいい、という話はチーム内で出ていました。実際、あれだけスピードがあったら。

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