U-19日本代表、世界へ王手。不安はあまりに「強すぎる」ことだけ (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

 まず「コンディション」に関しては、日本に分があると考えていいだろう。グループリーグ3試合をほぼ同じメンバーで戦い続けているインドネシアに対し、日本は毎試合大きくメンバーを入れ替え、負担を分散。フィールドプレーヤー全員が最低1試合は先発出場しており、疲労の蓄積という点では、両者には大きな差がある。影山監督も「結果オーライ的に、選手それぞれの出場時間がそろった感じはあるが、それが我々にとってプラスなのは間違いない」と話す。

 ましてインドネシアは、最後のUAE戦では退場者を出すなど、ギリギリの接戦を勝ち上がってきており、消耗度はかなり高いはずだ。

 そして、もうひとつの「一体感」だが、それが今の日本の武器になっていると言ってもよく、チームの雰囲気はかなりいい。毎試合のようにメンバーを入れ替えても、選手それぞれが自分の仕事を確実にこなし、あたかも勝利のバトンをつなぐかのように、次の試合へといい流れをつなげている。

 イラク戦を見ていても、ゴールが決まるたびに控え選手がベンチを飛び出し、大きな声でピッチ上の選手を祝福。「元気なのが、この世代のいいところ。常に下を向かずにやれるし、ベンチの選手と(試合に)出ている選手が一体となって戦えている」(石原)。

 影山監督は「(選手全員が)これだけモチベーション高く、コンディションもそろえて、しかもそんなにケガもなく、みんなが次の試合、次の試合と意気込んでくれているというのは、非常にすばらしいこと」と称え、力強く必勝を宣言する。

「その1試合だけ日本を倒せばどうにかなる、というような試合をも制することができるような、そんな選手個人やチームとしての強み。そこに対応力なども含めて、準々決勝はぜひとも勝ち取りたい」

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