U-19日本代表、世界へ王手。不安はあまりに「強すぎる」ことだけ (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

 唯一第2戦から続けて先発出場した、DF石原広教(湘南ベルマーレ)が振り返る。

「ここで勝って、しっかりチームの調子を上げて、その流れで準々決勝へ行くのが間違いなく一番いい形。(今大会初めて)無失点で終われたし、今日の勝ちは次につながる大きな勝利だったと思う」

 とはいえ、である。

 16カ国が出場している今大会は、4カ国ずつ4組でのグループリーグが行なわれ、各組上位2カ国が準々決勝進出。そこで勝利し、準決勝へ駒を進めた4カ国が、U-20ワールドカップの出場権を得ることになっている。

 つまり、最終的に世界大会に出られるかどうかは、準々決勝の一発勝負で決まるのだ。

 グループリーグをどんなに圧勝して勝ち上がってこようと、たった1試合取りこぼせば、すべてがパー。ひとつ試合が終わるごとに、影山雅永監督が「まだ我々は何も成し遂げていない」と口にしていた真意はそこにある。

 それを考えると、圧倒的な強さを見せつけての勝ち上がりも、事があまりにうまく進み過ぎているようで、逆に怖い。事実、際立つ強さを見せつけるチームにも、まったく不安要素がないわけではないのだ。

 日本はこの3試合、相手の破れかぶれに近い強引な攻撃で、簡単にピンチを招くシーンが意外と多い。深い位置から放り込まれるロングボール1本で、相手FWにDFラインの背後やサイドのスペースに走り込まれたり、ヘディングで競り合った後のセカンドボールを拾われて、連続攻撃を仕掛けられたり、といった具合だ。実際、1、2戦目では失点も喫している。

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