各年代の代表すべて未経験。
しかし守田英正は「選ばれる自信あった」

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 客観視すれば、自分がピッチにいるときは、1-0や2-1の接戦が多いので、攻撃面での貢献度は足りていないのかもしれない。実際、自分がケガをしてピッチを離れている試合では、7-0(J1第26節・コンサドーレ札幌戦)、3-1(J1第27節・名古屋グランパス戦)と、大量得点を奪って勝利しているので、自分が攻撃のリズムを崩していたのではと考えることもあるにはあるんです。でもその一方で、守備では貢献できているという実感はあるので、そこを突き詰めていきたい。

―― デビューした日本代表戦でもそうだったように、パスでも魅せる場面が増えてきているように思います。学生時代からパスに対する欲というか、意識はあったのですか?

守田 いや、そこまでなかったですね(苦笑)。でも、僕、大学に入るまではトップ下の選手で、大学3年生くらいまではその守備すら全然できなかったんです。おまけにパスもできなければ、シュートを決めることもできなければ、ドリブルで突破することもできなかったんですよ。ただただ、かきまわすだけ、みたいな(笑)。そんなトップ下だったんです。

―― それだけ聞くと、プロになれそうにないですね(笑)。

守田 そうなんですよね(笑)。昔から練習してきましたけど、シュートも、パスも、ドリブルも下手だったんです。そこは1日や2日で劇的に改善されることはない。でも、守備ならばボールを触らなくてもできるじゃないですか。自分の動きだけで相手からボールを奪うことができる。これならば難しくないなって思ったんです。

 加えて大学が、守備ができなければ試合に出られない環境だったことも大きかったと思います。それもあって、ひたすら守備の練習をしたんです。ひとつ年上に、守備のスペシャリストと言われているような先輩がいたんですけど、その人のプレーを見て、できるようになったんです。実際、その守備があったから、僕はプロになれたんだと思います。

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