各年代の代表すべて未経験。しかし守田英正は「選ばれる自信あった」 (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 それに、フロンターレは昨季J1で優勝しているので、もう公言してもいいと思うんですけど、僕はこのクラブが日本一だと思っているんです。そのクラブで自分は試合に出させてもらっているという自信もあれば、責任も感じている。そうした背景を考えれば、このチームから複数人の代表選手が選ばれても、決しておかしくはないのではないかと思ったんです。

―― なるほど。その日本代表という空間はどうでしたか?

守田 刺激になりましたし、新鮮でしたね。それ以上に、代表との距離が見えたというか。これまで呼ばれたことも、行ったこともなかったので、どんなところか想像もつかなかった。でも今回、その距離感というものは掴めたと思います。

―― 森保監督からは、コンセプトを含めて、どんなことを言われましたか?

守田 印象に残っているのは、「柔軟性を持ったサッカーをしたい」ということでした。システムに関しても、この相手ならば4-4-2、この相手ならば3-4-2-1と、試合中も人の配置を変え、システムも変えられるくらい柔軟性のあるチームにしたいと言われました。

―― 日本代表の活動期間中には、北海道胆振(いぶり)東部地震もありました。

守田 個人的に、あれほど強い地震の揺れを経験したのは初めてのことでした。森保監督からはコスタリカ戦の前に、「サッカーはこういうときこそ、人に勇気を与えられる競技なんだ」と力強く言われました。自分もサッカーが好きで、ここまでサッカーを続けてきましたけど、そのサッカーで誰かを勇気づけることができたり、誰かが報われるのであれば、選手として誇りを持ちたいですし、そのためにもプレーしたい。

 周りの気遣いもあって、僕らは震災後も不自由なくホテルにいることができましたけど、ホテルで働く人たちには家族もいれば、仕事どころじゃない人もいたはず。それなのに僕らのために動いてくれて、本当に感謝しかなかったんですよね。だからこそ、サッカー選手は、自分がプレーすることで、多くの人に夢や希望を見させることのできる職業なんだなと、改めて実感しました。

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