中村憲剛、守田英正を語る。
「僚太とふたりで日本代表のボランチを」

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

―― 中村選手から見た守田選手の特徴とは?

中村 うーん。なんでしょうね(笑)。パッと思い浮かぶのは守備かなと思いますが、セールスポイントかと言われると(苦笑)、すば抜けた特徴がないところが特徴かもしれないですね。その分、五角形で選手の能力値を表せるとしたら、どの項目も高くて、その五角形が大きいとでも言えばいいですかね。守田はボールも運べるし、止められるし、蹴れる。さらには守備も強いし、最近では気の利いたパスも出せるようになってきている。

 でも、一番は攻守において無理が利くところ。走り切れるし、がんばり切れる。純粋に守田に走力があるので、それが中断明けのチームの安定に導いているのは間違いない。それによってネットと僚太と僕のトライアングルのときとはまた異なる、新しい色というものができてきている。ただ、そこにピタッとハマるというのは、決して簡単なことじゃないですけどね。

―― まさに、チームにひとりいると助かる選手。

中村 ほんと、それですよね。まさかルヴァンカップ準々決勝のとき、僚太がケガをしていたというのもありますけど、(守田が日本代表に招集されていて)加入1年目の選手に対して不在の穴を感じるとは、僕自身も思わなかったですから。

―― 守田選手はルーキーながらフロンターレで出場機会を伸ばし、日本代表戦に招集されると、9月11日のコスタリカ戦で代表デビュー。その試合でケガを負いましたが、ここまでの成長曲線をどう見ていますか?

中村 とくにここ3~4カ月の成長というか、吸収力はすさまじいですよね。今年のキャンプでも、みんなと遜色なくプレーしていて、「今年のうちに試合に出るな」って確信してました。それを本人に言うと、「いや、いっぱいいっぱいです」とか「いや、緊張してます」って言うんですけど、そこも僚太と似ていて、言葉は謙虚でも、プレーはふてぶてしいというか(笑)。プレーは堂々としているんですよね。

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