勝因は平均171cmトリオの躍動。日本の強みを再確認したウルグアイ戦 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Etsuo Hara/Getty Images

 しかし、先のロシアW杯を経て、その認識に変化が生じた。世界の屈強な選手には、小柄な選手の方が通じそうなことに気付かされた。

 日本代表が左サイドで見せた乾貴士(ベティス)と長友佑都(ガラタサライ)のコンビネーションプレーは、とりわけ絶大な効果を発揮した。その乾は現在30歳。森保監督が今後、彼をどう扱おうとしているのか定かではないが、今回、左サイドの選手として選ばれたのは中島と原口元気(ハノーファー)だった。

 原口はパナマ戦に先発した。だが、この試合で先発を飾ることは、今回選ばれた23人の中でプライオリティが低い側にいることを意味する。ウルグアイ戦に先発を飾る選手こそ、現時点でのベストメンバーに近いと思われる。

 そうした見立てどおりのプレーを中島は披露した。今年3月に行なわれたハリルジャパンの欧州遠征にも招集されていたが、この半年の間で、プレーのレベルは1ランク上がっていた。

 すばしこくて神出鬼没。自信も漲り、小柄なことの利点がすべて集約された選手に進化を遂げていた。日本人相手にプレーするより、サイズの大きな外国人と対戦する方が効果的との印象も抱かせた。中島は後半42分、ピッチを後にしたが、ウルグアイの選手は、最後までその対処方法を見つけ出せず、手を焼いていた。

 身体の小さな日本人選手は、「小さくて何が悪い」と言いたげな中島のプレーを見て、さぞ勇気づけられたに違いない。

 中島とは逆サイドの右で先発した堂安律(フローニンゲン)はプレー機会、活躍の回数という点で中島に劣ったが、後半14分に酒井宏樹(マルセイユ)とのコンビで挙げた3点目のシーンでは、確かな技術を披露。左利きの貴重さも見せつけた。

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