チーム刷新の日本代表。若手躍動のパナマ戦でまた新発見があった (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 森田直樹/アフロスポーツ●写真 photo by AFLO SPORTS

 2試合連続で先発した南野は、風格を増した。この日、縦パスをディフェンスラインの前で受けると、裏に抜けるトラップからのドリブルでラインを破り、左足で流し込んだ。ボールを前に運ぶ推進力とゴールを仕留める際の落ち着きは、欧州でプレーする経験のなせるわざか。ゴールへ向かう迫力は傑出していた。2得点目も、ゴールに突き進むようなプレーでシュートまで持ち込み、こぼれ球を伊東が押し込んだ。

「左サイドからの攻撃には手こずった」

 パナマのガリー・ステンペル監督が語ったように、南野、伊東、室屋が絡んだ日本の右サイドからの攻撃は脅威を与え、若い力のほとばしりがあった。

 しかしチーム全体としては、手放しで喜べるような内容でもない。

「ミスも少なくなかったし、ボールを奪われる悪い時間帯もあった。90分間を通し、安定してプレーできるようになる必要があるし、もっと得点も取れた。自分たちのことは自分たちがわかっています」

 ピッチでの舵取りを任せられた青山敏弘(サンフレッチェ広島)はミックスゾーンで洩らしている。

 森保一監督も試合後に指摘したように、不用意なボールロストは少なくなかった。強豪相手だったら、致命傷になっていただろう。

 見過ごせないのは、ボールを失ったとき、カウンターを発動されていた点で、パナマの拙攻によって守り切れた場面も実は少なくなかった。スキルとコンビネーションには改善の余地がある。

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