快勝なのに浮かない表情。「天邪鬼」な青山敏弘が素直に語った不満点 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「もっとスペースを使いたかったですけど、スピードアップできなかった。前に収まったときに3人目が動くようなスピード感をチームとして作っていけると思うし、そういう練習もしているけど、まだまだ時間はかかるかなと思います。ふたりとも怖い選手なので、そこはもっともっと僕らが作ってあげないといけない」

 彼らの能力を引き出せなかったことを、青山は反省材料として挙げていた。

「少しでもよくしていきたい。チームとして、グループとして」

 青山は「チームとして」という言葉を頻繁に口にする。吉田麻也にキャプテンの座は譲ったものの、吉田が欠場したこの日はキャプテンマークを巻き、リーダーシップを示した。チーム最年長という立場もあるだろう。チームとして、いかに成長できるか。そこにエゴは存在しない。

「僕自身は、チームとしてどう戦えるかが自分自身の評価につながると思っている」

 チームが機能するために、なにができるのか。32歳のベテランMFは、自己犠牲の精神をもって青いユニフォームを身にまとう。

 反省ばかりのパナマ戦だったが、青山が唯一、納得している部分があった。

「よくない時間帯に、どういう対応ができるか。そこに関しては悪くなかったと思う」

 90分のなかでは、いいときもあれば、悪いときもある。この日も悪い流れに傾きかけた時間帯があったが、決して相手にペースを譲らなかった。そこには、ピッチ上で声を張り上げ、走り続けた青山の献身があった。

 若手との融合、システムの使い分け、戦術的な柔軟性など、森保ジャパンが身につけなければいけない課題は、当然ながらまだまだ山積みだ。その成長過程において、この天邪鬼な司令塔がしばらく重要な役割を担っていくだろう。

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