福田正博は考えた。森保Jがチーム力向上のために次戦でやるべきこと (2ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • 西村尚己/アフロスポーツ●撮影 photo by AFLOSPORT

 W杯ロシアの主力を招集するには、彼らの所属チームで置かれている状況によるところが大きい。大迫勇也(ブレーメン)のように監督からの信頼が厚く、代表戦でチームを離れたとしてもポジションを失う不安がない選手は呼んでもらいたいと思う。

 大迫は前線でボールを収められるし、スペースへの動き出しも秀でている。自らシュートに行くだけではなく、まわりの選手を使うこともうまい。その大迫が若い世代の選手たちとどういうプレーを見せてくれるのか楽しみで、大迫を追いかける選手たちへの刺激という意味でも、ぜひ招集してもらいたい。

 今季からベティスでプレーしている乾貴士は、危機感を覚えているのではないかと思う。W杯ロシア後に「次のW杯もメンバー入りして出場したい」と発言をしていたが、森保ジャパンの初戦での攻撃的な選手たちの活躍を見たら、悠長なことを言っていられない気持ちになっているはずだ。

 乾が得意にする左サイドでは中島翔哉(ポルティモネンセ)が存在感を示しているほか、原口元気(ハノーファー)、宇佐美貴史(デュッセルドルフ)らもいる。今季の彼らは所属チームでの存在感を確固たるものにして、日本代表での左サイドの争いを高いレベルに押し上げてくれることを期待している。

 攻撃的なポジションの選手は中島や、堂安律(フローニンゲン)、南野拓実(ザルツブルク)など、若い世代が台頭して活性化しているが、中盤でも同じことが言える。

 守備的MFでは、コスタリカ戦で先発した遠藤航(シント・トロイデン)のほか、ここには大島僚太(川崎フロンターレ)を筆頭に、山口蛍(セレッソ大阪)や三竿健斗(鹿島アントラーズ)がいて、井手口陽介(グロイター・フュルト)もいる。とくに井手口は、今季からブンデスリーガ2部のグロイター・フュルトでプレーしているが、もう一度代表に戻ってきてもらいたい選手だ。

 ただ、気がかりもある。DFはW杯ロシア組の力がまだまだ必要なことは明らかで、とくに4バックの場合、現状ではディフェンスラインには物足りなさがあるということだ。コスタリカ戦では右SBに室屋成(FC東京)、左SBに佐々木翔(サンフレッチェ広島)が起用されたが、彼らは代表経験が浅いことで慎重になったということを差し引いても、もっとアグレッシブさを見せてもらいたかった。

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