2018.09.14

初陣勝利も森保監督の過大評価は禁物。
コスタリカ戦を冷静に細かく分析

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 ただ、日本が救われたのは中島のドリブルだった。中盤を省略するなか、中島にボールを預けることができれば、数十メートルほどボールを運んで相手を剥がしてくれるため、相手の守備のオーガナイズを崩すことができる。前半に作った日本の多くのチャンスが中島のドリブル、あるいは堂安のキープ力によって生まれたのは単なる偶然ではなく、そこしか頼るところがない状態が続いたからだと見ることもできる。

 そんななか、前半に日本が作った2つのビッグチャンスは、縦にボールを蹴るスタイルではなく、パスをしっかりつないで相手を揺さぶってからシュートを狙ったシーンだった。

 ひとつは23分。青山が小林へ入れたくさびが収まらず、そのルーズボールを遠藤が拾ってからの展開だ。まず遠藤が室屋にボールを預け、右に流れた小林にパス。受けた小林が室屋に戻し、堂安を経由して再び小林がボールを受けると、中央でフリーの中島にパス。中島のシュートはバーを越えたが、それは日本がこの試合で初めて6本のパスをつないだシーンだった。

 もうひとつが38分のシーン。この場面は右サイドから青山が入れたクロスを相手DFが頭でクリアした後から始まった。セカンドボールを拾ったのは佐々木。そこから、中島、佐々木、遠藤、槙野、三浦とボールを回して最終ラインからのビルドアップが始まると、その後は青山、佐々木、遠藤とつなぎ、遠藤が南野に縦パス。南野が相手2人を引きつけて見事に反転して前を向くと、内に入ってきた堂安に預け、遠藤に戻す。

 このパス回しによって、前後に動かされたコスタリカ守備網中央に隙が生まれ、遠藤が小林に縦パスを入れると、小林が胸で落として、南野がダイレクトでシュート。惜しくもGKの好セーブに阻まれたが、13本ものパスをつなげた遅攻から、ビッグチャンスを作ることができていた。

 結局、前半はコスタリカのオウンゴールによる1点で終了したが、内容的にはほぼ互角だったと見ていいだろう。

 まずコスタリカは、狙いどおり前からの守備を遂行して日本を苦しめ、13分にはゴールチャンスも作った。逆に日本は縦に蹴ることで何とかそれを回避し、パスで相手を揺さぶってから2度のチャンスを作った。ボール支配率は日本が48%で、コスタリカが52%(最終的には49%対51%)。シュート本数は、日本が5本、コスタリカが4本(最終的には14本対6本)。