クビになった監督は何をやってたんだ。有望な若手が森保Jで大暴れ (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「選手それぞれがコミュニケーションをとって、チームとしてやろうとすることを発揮してくれたし、積極的にプレーすることで、それぞれの(個人の)特長も発揮してくれた」

 森保監督もそんなことを話していたが、A代表での経験が豊富とは言えない選手たちが急に集められ、わずかな準備期間しかないなか、ある意味、"即興"でこれだけのことができたことは、新鮮な驚きだった。

 今回の招集メンバーには若い選手が多いとはいえ、そのほとんどは年代別代表として、U-17W杯、U-20W杯、五輪といった世界大会を経験している。また、若くしてすでに海を渡った選手も多く、A代表でこそ経験は浅いものの、十分な国際経験を重ねてきていることも、彼らがこうした舞台でいきなり結果を出せることにつながっているのだろう。

 若い選手たちはこれだけのポテンシャルを備えているのだから、本来ならもっと早くこうした機会が設けられるべきだったのにと、すでにクビになった元・日本代表監督に恨み言のひとつも言いたくなるが、とにもかくにも、今の日本代表は、いい流れで世代交代が進んでいきそうな雰囲気を漂わせている。

 所信表明演説の場とでも言うべき初陣で、新指揮官は自らの姿勢を示し、若い選手たちがそれに応えた。その意味において、新生・日本代表は絶好のスタートを切ったのではないかと思う。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る