森保一監督の「日本代表への姿勢」は、チリ戦、コスタリカ戦でわかる (4ページ目)

  • text by Sportiva 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 本来は、ここからアジアカップまで、どういうプロセスを踏むのかを明確にしなきゃいけない。そしてアジアカップで勝とうと思うんだったら、監督は代えず、そこまでは西野さんのままでいったほうがよかったと思うぐらいです。

浅田 勝ちにいくんだったらそうでしょうね。結果的に2011年のカタール大会は優勝できたし、2015年のオーストラリア大会はベスト8で敗退でしたが、最後のUAE戦はPK戦で負けており、内容的には押していたので、たいした問題にはなりませんでした。そこには「まだチームも固まっていないし......」といったエクスキューズもあるし、結局、アジアカップはどういう位置づけの大会なのか、ずっと曖昧なままなんです。

 まして、2020年のカタール大会の前年は、コンフェデレーションズカップをやらないという話もある。優勝したらコンフェデに出られるという副賞がないとなると、アジアカップをどうとらえるか、いよいよ考えないといけない。日本人は「最初から負けることを想定して臨む試合などない」という話になりがちでしょう。実際に試合になったら、負けていいということはないけれど、長い目で見たら、必ずしも勝負だけが優先されるわけではないと思うんです。

杉山 もうひとつの価値観というのがありますね。少なくとも価値観を勝ち負けだけにしてはいけない。

浅田 アジアカップは、ある意味で若手を試すにはちょうどいいハードルかもしれません。ライバルになるのは、韓国とオーストラリア、それに中東勢。そういう厳しい相手に対して、いわばアウェーの中東に乗り込んでやれるというのは、「強化の場」としてちょうどいいわけです。

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る