森保一監督の「日本代表への姿勢」は、チリ戦、コスタリカ戦でわかる (3ページ目)

  • text by Sportiva 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

浅田 どういうサッカーをやるのかについては、森保監督も田嶋幸三会長も、「日本人らしいサッカー」とか、「あのロシアW杯のサッカーを踏襲する」と言っています。ロシアW杯の日本のサッカーはすばらしかったと思うけど、はっきり言ってしまえば偶然できたようなものじゃないですか。4年間、何かを積み上げてきて、全員に叩きこんで、そのなかから選ばれたメンバーが成し遂げたというものではない。

 とりあえず、とにかくヨーロッパでやっている経験のある選手を集めて、直前の2、3試合、とっかえひっかえ組み合わせを変えてやってみて、「ああ、見つけた」という形が、たまたまうまくいった。W杯前から1カ月間、一緒に合宿をしてきた控えメンバーでさえ、ポーランド戦でちょっと入れ替えたら、全然同じことができないわけですから。

 森保監督は「それをベースに」と言うけれど、それができる選手もいない。本田圭佑も長谷部誠もいないなかに新しい選手を入れて、「ああ、なるほどね」という形で若い選手がそのサッカーを吸収していくこともなかなか難しいと思います。ある意味、森保監督は一から作っていかなきゃいけない。「日本人らしいサッカー」「ロシアでやったサッカー」と言っても、実は、それを落とし込むという意味でいうと、具体的なものをわかっている人は少ない。そういうなかで森保監督がどういうことをやっていくのか、ちょっと見ものです。

杉山 アギーレのときもそうだったんだけど、まず問題になるのが来年1月に行なわれるアジアカップなんです。アジアカップで勝とうとするのかどうかという問題がまた出てくる。アギーレの場合、その前の親善試合では若手を思い切り使っちゃって、ブラジル戦にもベストメンバーで臨まず0-4で負けたりして、結構叩かれたんです。それでアジアカップになったら、長谷部や遠藤保仁、今野泰幸を呼び出すことになった。

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