身体と心を蘇らせた広島・青山敏弘「変わっていく自分にびっくりした」 (4ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • (株)サンエス秋田耕二●撮影 photo by Akita Koji

―― 身体のこと以上に、まず気持ちの面だったんですね。

青山 そうですね。自分がどう苦しんできたか、わかってくれる人がいるんだと思って、それがうれしかった。

―― 池田コーチ自身も若くしてひざのケガで現役を引退したあと、ブラジル代表に帯同したり、ACミランで学んだり、マリノス時代にはリーグ2連覇に貢献し、韓国代表ではロンドン五輪で銅メダルを獲得したり、豊富な経験を積まれていますからね。

青山 僕、池田さんの経歴とか、全然知らなかったんです。でも、いろいろな話を聞いて、僕の言うこともわかってくれて、池田さんほどの経験をされている方だったら、自分の身体もどうにかなるかもしれないって。この2年、ずっと長いトンネルに入っていたんですけど、希望の光が見つかった気がして。

―― 体型を見ても、シャープになったように感じます。身体へのアプローチというのは、どういう風に二人三脚で取り組んで、どう好転していったんですか?

青山 最初は何も言われなかったんですけど、タイキャンプの終盤にかけて、筋肉系のトラブルが出てきたんです。そうしたら、池田さんが「アオにはこのメニューはちょっとキツすぎたかもしれないね。ゴメンな。でも、今やっていることは絶対アオに必要なことなんだ」って。池田さんは日本で誰もやってないようなメニューをやるんですけど、何のためにやるのか、そこを理解させてくれるんです。

―― やみくもではなく、こういう目的で、今、ここを鍛えているんだよ、と。

青山 はい。それに、一気に変えるんじゃなくて、少しずつ身体のなかから変化させていくというか。宮崎キャンプではすごく走った。これまでは身体が動かないから走れない、という感じだったんですけど、タイムを低く設定して、無理してでも走ってみたら、これ、自分には必要だなって感じられた。

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