新生・日本代表で強化すべきは、金子翔太らリオと東京の「間の世代」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 163cmと小柄だが、柔らかさと強さを兼ね備えた身のこなしは、小さいなりにスピードや俊敏性に長けているというだけではない、運動能力の高さを感じさせる。もちろん、技術は高く、パスセンスに長けているが、それだけに頼らず、前方にスペースが空けば、自ら仕掛けていくドリブルを持っているのも魅力だ。

 JFAアカデミー福島から清水入りした直後は、なかなか出場機会を得られず、栃木SCへの期限付き移籍も経験した。

 だが、プロ入り3年目となる2016年にJ2でリーグ戦22試合出場4ゴールという成績を残すと、J1に昇格した昨季もリーグ戦26試合出場4ゴールと、主力として堂々たる数字を残した。

 今季も第23節終了時点で全試合に先発出場しており、すでに自己ベストとなる8ゴールを記録している。チャンスメイクばかりでなく、得点への意欲も高まっており、Jリーグでは着実に成長の足跡を残している。

 ただし、金子には大舞台で世界の列強と伍した経験がない。

 U-16~19で年代別日本代表には選出されているが、世界大会の出場はない。U-19代表の主力として出場したアジアユース選手権では、準々決勝で北朝鮮にPK戦の末に敗れ、U-20W杯出場はならず。また、リオ五輪にしても、2016年当時はようやく頭角を現し始めたばかりとあって、五輪代表入りは現実的な目標ではなかった。

 だが、秘めたポテンシャルは非常に高く、それだけに早く高いレベルの国際舞台を経験させ、さらなる覚醒を喚起したい。

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