ベトナムに敗れたU-21森保ジャパン。
ポゼッション重視が裏目に出た

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AP/AFLO

 後半に入ると、日本は3-4-2-1から4-2-3-1へとシフトチェンジ。相手のフォーメーションとのミスマッチを作り出したことで、前半に比べると、効果的な縦パスが入るようになった。サイド攻撃にも厚みが生まれ、コンビネーションで相手を崩しにかかる場面は増えた。

 また、球際での勝負でも、「前半は相手に上回られたが、後半は選手の勇気や、そこで絶対に勝つんだという気迫を出せた。ルーズボールに対する予測の一歩も、前半よりも後半はギアが上がった」(森保一監督)。

 だが、試合の流れが変わったとはいえ、日本に決定機は多くなく、その一方で、ベトナムは押されながらも、カウンターからいくつかのチャンスを作り出した。MF松本泰志(サンフレッチェ広島)が語る。

「相手もかなりカウンターを狙っていて、ちょっと(ボールを)回させられていた部分はあった。そういう面では、もう少しフィニッシュまで持っていきたかった」

 つまりは、攻勢に立った後半にしても、完全に主導権をつかみ切るところまではいかなかった。0-1の敗戦は、90分間の内容に照らして、妥当な結果だったと認めるしかない。

 やらずもがなの得点を相手に献上し、それに足を引っ張られる形で、思うように試合を進められなくなる。経験の少ない若いチームなのだから、仕方がない面はあるにしても、やはり歯がゆい試合だった。

ベトナム相手に成す術なく敗れた日本ベトナム相手に成す術なく敗れた日本

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