土居聖真が柴崎&昌子に続く。鹿島の同期組が日本代表を変える (3ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 4-4-2を採用する鹿島では今シーズン、主に2トップの一角を担っているが、これまでのキャリアを振り返れば、サイドハーフでのプレー経験も多い。森保一監督がU-21日本代表でも採用する3-4-2-1をA代表でも用いるのであれば、まさに2列目に適任である。4-4-2や4-2-3-1であれば、サイドハーフやウイングとしても申し分ない。周囲を活かし、活かされるそのプレースタイルは、コンビネーションを磨けば磨くほど引き出されるはずだ。

 引いた相手に対しては、狭いスペースを突破する持ち前のテクニックがあり、センスを有している。世界を見据えたとき、フィジカルはさらに強化する必要がありそうだが、ポジショニングやボールの受け方で補えるポストプレーのうまさもある。カウンターは鹿島が得意としているように、お手のものだ。とくに3-4-2-1の「2」でプレーしたときには、周囲とのコンビネーションで打開するイメージが強く沸く。

 さらに、プロ8年目を迎えた今季、鹿島の攻撃に欠かせない存在となっているように、その言動にも自信と風格が出てきた。今季、鹿島は苦しんでいるが、プレーで、言葉でチームを牽引し、伝統でもある強さと、結果を追い求める姿勢を示し、訴えている。

 先のロシアワールドカップでは、前線で大迫勇也が躍動し、中盤では柴崎岳がゲームを作り、最終ラインでは昌子源が身体を張って守り、日本代表の躍進を支えた。その縦のラインは、Jリーグ最多のタイトルを誇る鹿島で育った選手たちである。

 彼らと同様に、ジュニアユースから鹿島で育ってきた土居にも、同じDNAが流れている。とくに柴崎と昌子は同期である。彼らが世界の舞台で活躍する姿に刺激を受けなかったはずはない。

 2020年に東京五輪が開催されることから、世代交代ばかりが叫ばれているが、A代表には今、活躍している選手が呼ばれるべきでもある。4年後のカタールワールドカップが開催されるとき、土居はちょうど30歳。柴崎、昌子、そして土居の同期が青いユニフォームを着て躍動する姿が見たい。

(つづく)

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