森保ジャパンにもベテランを。指揮官の懐刀、青山敏弘が必要だ (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 本題に移ろう。森保ジャパンに推薦したい選手は誰か?

 この議題に対して、筆者はこのふたりを推したい。もっとも、コンディション不良で今季のリーグ戦で出番のない森﨑の代表入りは、37歳という年齢や、これまでに代表選出経験がないことも含め、現実味に欠ける。ただ、先の西野ジャパンでも候補に入っていた青山は、現在の調子を考えても十分に代表入りを果たす可能性はあるだろう。

 そもそも、長く代表から遠ざかっていた青山が、ロシアワールドカップ直前に代表復帰を果たしたのは、西野監督の参謀役を担った森保コーチの意向が大きかったと考える。3バックの導入も視野に入れていたなか、そのシステムでタクトを振るう青山の姿を思い描いていたはずだ。

 しかし、結果的に青山はメンバー入り直後に負傷が発覚し、代表から離脱する。大会直前の合宿やガーナ戦で3バックを試しながら、結局その構想が頓挫したのは、青山の離脱と無関係ではなかっただろう。

 現役時代にボランチだった森保監督は、広島を率いていた時代から青山に大きな信頼を寄せていた。高いパスセンスに加え、ハードワークを厭(いと)わず、球際の争いでも強さを発揮する。連覇を成し遂げた翌年の2014年からキャプテンの大役を与えたのも、さらなる成長を願ってのことだろう。その期待に応えるように、青山は精神的な強さに磨きをかけ、2015年にはチームを3度目のJ1優勝に導き、自身はMVPに輝いている。

 青山の特長はなんといっても、そのキック精度にある。低い位置から一発のフィードで決定機を生み出す能力は、他の追随を許さない。森保監督は就任会見で目指すべきスタイルとして、「速攻もできれば、遅攻もできる」と語っている。とりわけ世界を見据えたときに、「速攻」は大きなテーマとなるはずで、高精度のロングフィードは戦況を変えるうえでの大きな武器となる。

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