サッカー人生激変。スピードスター前田大然「高2のターニングポイント」 (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki, Getty Images

―― 山梨学院高が選手権で優勝したのを見て、憧れて進学したんですよね?

前田 そうです。でも、あのころは自分のことしか考えてなくて、自分さえよければいいや、という考えで。それで、サッカー部から離れている間に、自分の考えが変わったというか、これじゃあダメだって。もっと周りのことも考えないといけないし、みんながいるから自分がいる、っていうことをすごく感じた。あの1年があったからプロになれたと僕は思っているので、本当に大きなターニングポイントでした。今、献身的に守備をしているのも、あのときに学んだからだと思います、

―― 当時のサッカー部の監督は今、アルビレックス新潟シンガポールを率いている吉永一明監督ですよね?

前田 そうですね。吉永さんにはすごく感謝していて、3年になって戻ってきたとき、すぐに試合に使ってくれた。「サッカーがうまいだけじゃダメだ」と教えてくれたり、「お前はプロになれるから」「大学よりもプロに行け」って、ずっと声をかけてくれたんです。選手権もインターハイも予選で負けてしまってアピールできなかったけど、吉永さんがスカウトの方を呼んでくれたりもした。この人のためにもプロに行かないといけないっていう想いがあったので、山雅に決まってよかったです。今もちょくちょく連絡しています。吉永さんはいつも気にかけてくれるので。

―― 吉永監督は、前田選手にプロになる才能があると感じているのに、ひとりで決めたわけではないにせよ、1年間部活に参加させないという決断をしたわけですよね。その決断はすごいですね。

前田 僕も気になります。そういうふうにずっと言ってくれていたなかで、あの決断をしたのは、どういう想いがあったのか、いつか聞いてみたいですね。でも、僕にとっては、あの1年があったから今がある、ということは間違いないですね。

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