東京五輪世代の前田大然は、森保監督の特殊戦術の理解に自信あり (4ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki, Getty Images

―― 通用した部分は?

前田 前線からの守備でボールを奪えましたし、向こうのラインもけっこうバラバラやったんで、簡単に裏を取ることができました。南米の選手は身体能力でやってる感じで、隙があるんですよね。そこを突けたのは自信になりました。

―― 1週間ほどパラグアイにいて、仲良くなった選手はいますか?

前田 藤谷(壮/ヴィッセル神戸)と森島(司/サンフレッチェ広島)とずっと一緒にいましたね。ふたりとも関西の人間じゃないですか。

―― 前田選手ももともと大阪出身ですもんね。

前田 そうなんです。代表は初めてといっても、初瀬(亮/ガンバ大阪)とかは小学生のころから知ってるし、全員が初対面っていうわけじゃないんで、大丈夫でしたね。

―― 東京五輪に向けたサバイバルが始まったわけですが、チームメイトの多くはU-20ワールドカップに出場するなど、国際経験の豊富な選手ばかりです。これまで代表経験がなかったことは、自分のなかでコンプレックスだったりしますか?

前田 いや、別にそれはないですね。プロ1年目なんてまったく活躍してなかったので、選ばれへんのは当然やと。でも、結果を残せば選ばれるっていうことはわかっていたから、結果を残すだけやと。

―― プロ2年目の昨シーズンは期限付き移籍で水戸に移って13ゴールと、まさにその結果を残して、今シーズンふたたび松本でプレーしているわけですが、あらためてどんな想い、どんな覚悟で復帰を決めたんですか?

前田 1年目はまったく活躍できなかったので、山雅のサポーターに自分の良さを見てほしかった、成長した姿を見せたかった、というのが一番ですね。

―― 期するものがあって戻ってきたにもかかわらず、シーズン序盤はなかなか試合に出られませんでした。心中穏やかじゃなかったのでは?

前田 いつかチャンスが来るだろう、と思っていたので、そのチャンスを待ってました。パラグアイ遠征から帰ってきて、そのチャンスが来て、そこからずっと出られるようになって、チームも勝てるようになったので、すごく自信になりましたね。

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る