福田正博が森保監督へエール「ドーハの悲劇の悔しさを晴らしてほしい」 (4ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro photo by JMPA

 そうしたなか、私が注目しているのが大島僚太だ。Jリーグの川崎で彼が見せるプレーのクオリティは別格だ。体の向きのつくり方、視野の確保の仕方など、イニエスタにもっとも近いレベルにあるといえる。その大島が、これからの日本代表の中心選手になってもらわなくては困るだけに、森保体制でどういうプレーを見せてくれるのか期待している。

 今後の試金石になるのが、来年1月のアジアカップだ。W杯ロシア大会では、アジア勢で唯一決勝トーナメントに進出した日本がどんな結果を残すのか。世代交代を進めていくことを考えると、目先の勝った負けたではなく、新たなチャレンジをしていることを理解して、サポートすることも重要だろう。

 ほかにも、今回のW杯から導入されたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)により、これからはクリーンな戦い方をするチームが恩恵を受けることが予想できる。この点でも、広島時代にフェアプレー賞をもらう戦い方でチームを優勝に導いた森保監督の手腕が生きてくるはずだ。

 なにより、4年後のW杯の舞台であるカタールは、我々世代にとっては94年W杯出場を最後の最後に逃した"ドーハの悲劇"を経験した因縁の地。一緒に戦った仲間として、個人的な想いを勝手に森保監督に乗せてしまうが、あの悔しさをカタールの舞台で晴らしてくれることを期待せずにはいられない。

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