福田正博が森保監督へエール「ドーハの悲劇の悔しさを晴らしてほしい」 (3ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro photo by JMPA

 多くの選手が森保監督の戦術とスタイルを理解し、競争に身を置く。ハリルホジッチ監督は国内組をほとんど起用しなかったが、森保監督はJリーグをしっかりと視察して、伸びてきている選手がいれば抜擢するだろうし、Jから代表への道筋が示されることで、国内のサッカー熱に一体感が生まれるはずだ。

 森保監督は、まわりの人を信用して仕事を任せることもでき、選手への気配りも抜群にうまい。言葉が通じ、文化もわかり、メンタリティも理解できるという日本人監督のよさを最大限に生かしながら、チームづくりができるはずだ。

 サンフレッチェ広島を率いて3度リーグ優勝を達成したときに、森保監督が採用していた布陣は3バックだった。それは、前任のミハイロ・ペトロビッチ監督(現・札幌)の3−4−2−1を踏襲しただけと言う人もいるが、たしかに攻撃は受け継いだ部分もあるものの、守備は独自に構築したものだった。

 このときの3バックの特徴は、サイドの選手の運動量は大きくなるが攻守に人数をかけられること。また、選手間の立ち位置もコンビネーションを築きやすい布陣だ。ハードワークをすれば、数的優位を生み出しやすく、ピッチの幅も有効に使える。こうした利点が、日本人の持つ特性にマッチしやすいといえる。

 とはいえ、森保監督自身は3バック、4バックにほとんどこだわりはないのではないか。システムありきではなく、彼が重視しているのは、「日本人のよさが生きること」だろう。

 今後、森保監督は8月14日からU-21で臨む『アジア大会』を経て、9月7日にチリ戦(札幌ドーム)、11日のコスタリカ戦(パナソニックスタジアム吹田)で、日本代表チームの指揮をする。

 W杯後最初の日本代表の試合ということで、W杯出場メンバーを主体に選考することも考えられるが、海外組は新シーズンが始まったばかりで、ポジション争いに身を置いている選手であれば、招集されない可能性もある。W杯メンバーと遜色ないレベルにある中島翔哉や久保裕也といった選手たちの招集や、4バックで臨むかどうかも注目だ。

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