福田正博が森保監督へエール「ドーハの悲劇の悔しさを晴らしてほしい」 (2ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro photo by JMPA

 4年後のW杯カタール大会での"ベスト8"を達成するには、東京五輪世代が2020年以降にどれだけ台頭できるかがポイントであり、また、それだけの逸材が揃っている。堂安律、久保建英、三好康児、板倉滉、菅原由勢(ゆきなり)など、すでに海外やJリーグで結果を残している選手が、リオ五輪世代を突き上げてほしい。

 一方で、リオ五輪世代は、ロシアW杯で出番がなかったことに忸怩たる思いがあるはずだ。そうした競争意識が、間違いなく日本代表をレベルアップさせていく。

 ハリルホジッチ体制では、日本代表と五輪代表は異なるサッカーを志向していた。日本代表は外国人監督が"結果"を求めるカウンター主体のスタイルを追求し、下の育成世代では、ボールを保持することを意識したスタイルだった。やっているサッカーが変われば、評価も変わるのがサッカーの難しいところで、これでは、下の世代で評価されたプレーが、日本代表ではできなくなることもあるだろう。

 しかし、森保監督が五輪代表と日本代表で一貫したサッカーを志向することで、そうした問題は起こりにくくなり、五輪と日本代表の垣根を取り払って、新戦力を試しやすいというメリットもある。

 さらに、日本代表へステップアップする道筋がスムーズになることは、選手によい影響がある。五輪代表と日本代表でのプレーの評価基準が同じなら、選手はモチベーションを保ちやすい。4年間かけて同じサッカーを継続することで、日本代表のスタイルを理解する選手層が厚くなっていくだろう。

 W杯ロシア大会でも示したように、日本サッカーのストロングポイントは組織力、技術力、アジリティ(俊敏性)の高さだ。そこを磨いてフィジカルエリートの外国人との差を埋めなければならない。個を高める努力を放棄してはいけないが、そこはすぐに成果が出にくい。

 そのため、それよりもコンビネーションを高めていくことが重要であり、コンビネーションは短期間で育めるものではないだけに、五輪代表と日本代表が同じ方向性を目指すことで高めていける。

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