広島ではこうだった。森保一監督が「一貫して選手に求めるもの」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • photo by Etsuo Hara/Getty Images

 水本は、2011年に京都サンガから広島に移籍し、森保監督がチームを率いた2012年から2017年7月までのおよそ5年半、ともに戦った。

 森保監督は、前任のペトロヴィッチ監督のやり方を引き継いで、"勝てるチーム"へとモデルチェンジしていった。水本はそのプロセスのなかで、中心選手のひとりとして重要な役割を担ってきた。

 水本によれば、森保監督は指揮官に就任したときから広島を去るまで、選手たちに一貫して要求することがあったという。

「ポイチさんが広島の監督時代によく言っていたのは、『最後まであきらめないこと』。どんなにうまい選手でも、最後までアグレッシブに戦うこと。何点取られてもあきらめないこと。技術的なこと以上に、まずは戦う姿勢を強く求められた。たぶん代表でも、ポイチさんはそれを要求していくと思います」

 水本にはもうひとつ、森保監督によく言われたことで印象に残っていることがあるという。

「お見合いは絶対にするな」

 森保監督は水本に限らず、そのことについては選手たちに口酸っぱく言っていたそうだ。

「浮いたボールで、味方同士がお互いに見合って、落ちたボールを相手にかっさわれることがよくあるじゃないですか。そんなことになるなら、『(味方の)ふたりがそのボールに対応しようとしてぶつかって、それで(相手にボールを)持っていかれたほうがいい』って、よく言われました。これも"戦う"という部分のひとつだと思うんですが、そのことは印象に残っていますね」

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