鮫島彩はアメリカに大敗で違いを実感。それでも微かな希望の光を見た (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 その阪口の本領が発揮されたのは76分。3プレーほど前から、じわじわとシュートの打てる位置を伺っていた。直前にはミドルシュートを放ってみた。そしてついに、後半途中から出場した増矢理花(INAC神戸)が下げたボールをそのままドリブルで持ち込んだ。お返しとばかりにヒースをかわして「ハッキリと見えた」コースに振り抜いた。

 本人曰く「イメージ通りにいき過ぎた」と言う。失敗も成功も阪口のポテンシャルの高さを認めるに十分な90分だった。

 それでも阪口が試合後に思い返すのはヒースにやられた失点シーン。鮫島も「久しぶりにヒースの怖さを感じた」と苦笑いだ。

 日本にもチャンスはあったが、世界女王の前ではまだまだ未熟だった。

「これがアメリカだなって。そこが(日本と)違うところなんですよ。ペナルティエリア以外のところではまだできるところはあっても、結局ペナルティエリア内でやられる」(鮫島)

 ここが日本の守備の一瞬の脆さであり、決めきれない攻撃の絶対的な決定力の差だ。何もできない訳ではないが、勝利を決定的にする力はまだない。2-4のスコアは、今のなでしこジャパンを見事に現したスコアだった。

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