2018.07.27

森保ジャパンの方向性は見えず。
代表監督就任記者会見への違和感

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 高橋学●写真 photo by Takahashi Manabu

 森保新監督の従来のサッカーは、率直に言って、5バックの体制で後ろを固める守備的サッカーだった。西野前監督がロシアで見せたサッカーとは根本的に違う。さらに森保新監督は、その西野前監督のサッカーを、「日本人らしいサッカー」と持ち上げ、自分の志向と同じであるかのように語っている。「臨機応変」という言葉で束ね、切り抜けようとした。

 本来なら、日本のサッカーの方向性について語るのは協会会長であり、技術委員長だ。オシム以降、岡田時代の一時期とハリル時代を除き、日本は攻撃的サッカーを志向してきた。もし森保新監督が、臨機応変と言いながら守備的サッカーに転じれば、これは事件だ。会長、技術委員長は、その志向を知って選んでいるのだろうか。

 路線変更についての言及はなかった。そもそも、田嶋会長、関塚技術委員長にそうした認識があるのかさえ怪しい。

「オールジャパン」とか、「ジャパンウェイ」とか、「日本人らしいサッカー」とか、彼らから聞こえてくるのは、サッカーの中身とは関係のない抽象論ばかり。世界観がないのだ。森保氏がサンフレッチェ広島時代にやってきたサッカーが、世界的にはどんなポジションを占めているのか、会長、技術委員長は説明することができるだろうか。その結果、日本サッカー界は、大きなものを失う可能性がある。

「これまでやってきたことを実践して、それでダメなら次のことを考えて......」とは、森保新監督が漏らした言葉だが、関塚、田嶋両氏は、それを聞いて何とも思わないのだろうか。

 その台詞からは、守備的サッカーでいくのだろうなと推察できた。「4年間を簡単にやれるとは思わない。後はないと危機感を思ってやっていきたい」と森保氏は言うが、それがダメなときは、本来なら更迭だ。次を考えることはできない。