2018.07.18

何度でも見直したいベルギー戦。
「後世に語り継ぐべき歴史的な試合」

  • photo by JMPA

小澤 ドリブルしているデブライネより、日本の選手たちのフルスプリントのほうが遅かったですから、ああなった時点で仕方ないですよね。ただ、日本はその前の73分にも自分たちのコーナーキックからピンチを迎えていて、さらに言えば、直前の親善試合のスイス戦でも同じような失点がありましたから、そこは課題を放置していたことが問題だったと思います。しっかり検証する必要があるでしょうね。

逆転ゴールを決められ、悔しがる昌子源逆転ゴールを決められ、悔しがる昌子源 倉敷 試合後の選手インタビューからも、頭がとても疲れているという印象を受けました。比較的冷静に試合を振り返れる試合もある一方で、この試合は同点にされてから考えることが許容を超え、ほとんどの選手がパニックに陥っていました。フィジカル面だけでなくさらに強い精神力、経験値が次の大きな課題です。

 小澤さん、きちんとした分析に基づく戦術の落とし込みというプラスアルファが加わっていればという残念な思いとともに、日本は選手の経験値を最重要視するサッカーで現在持っているポテンシャルを見せました。できること、できないことがはっきりした大会だったのではないでしょうか。

小澤 逆に選手の経験値でここまでできることは示してくれて、攻撃的にいってもベルギーに対してある程度ボールを持ってチャンスも作れました。そういう可能性が見えた一方で、それだけでは本当にベスト8の壁は破れないという限界も見えたと思います。

倉敷 僕などは「日本斯くあるべき」というスタイルやイメージがはっきり見えた大会だと感じているのですが、ちまたではどうでしょうね? ポーランド戦の最後の部分は大嫌い、と嫌気する、でもこのベルギー戦の負け方はよしといった具合に、散りゆく桜が好きな日本人の感性とシンクロしますかね?

中山 どうでしょうね。個人的には、サッカーというスポーツそのものが好きということもあって、確かに日本が負けた試合ですけど、そこに居合わせたこと自体にすごく喜びを感じています。そして、こういう面白い試合を日本がワールドカップの決勝トーナメントでしたことを語り継いでいきたいと思います。

 もちろん、日本サッカーにとっては敗戦の歴史かもしれないですけど、サッカーには勝ち負けとは別に、サッカーそのものの面白さや魅力があって、だからこそ、我々もこうやって何時間も議論ができると思うんです。実はそこがその国のサッカーのレベルを上げるためには、すごく重要なのではないかと感じています。

 ベルギー戦後、長谷部が「いい時も悪い時も、褒めてくれたり、厳しく批判してくれたり、そういう状況がいつもあることが理想であって、無関心になられるのがもっとも自分たちにとっては怖い」と言っていましたが、本当にそうだと思いますね。

 このベルギー戦についても、「本田が蹴ったコーナーキックの球質に問題があった」とか、「カウンターを受けた時の日本の守備対応がまずかった」とか、いろいろな人がいろいろな意見を言って、試合が終わってもしばらく議論が続く国になってほしいですね。最終的には、それが日本をベスト8に導いてくれるような気がします。