ベルギー戦は最高のメインディッシュ。勝敗とは別の「うまさ」があった (3ページ目)

  • photo by JMPA

倉敷 では、そのまま序盤から前半終了までの印象をお願いします

中山 前半15分あたりから、ベルギーが攻撃のフェーズを重ねるなか、次第に日本の守備に綻びが見え始めた印象があります。やはり選手主導の守備戦術だと、どうしても限界があるということでしょうね。そこからはベルギーのほぼ一方的な流れになってしまいました。

 そのなかでひとつ気付いたのが、メルテンスのポジショニングでした。彼は通常右サイドに張っていて、左のエデン・アザールが中央寄りでプレーするパターンが多いのですが、日本ペースだった立ち上がりはメルテンスが中央寄りで、アザールが左に張る時間が多く感じられました。これは小澤さんが触れたように、乾がマークしてきたためにメルテンスが中間ポジションをとっていたのかもしれません。

 でも、ベルギーペースになった後は、やはりメルテンスが右に張ってアザールが中央に寄ってプレーしていました。それを見た時、日本の守備の網を外す方法をあっさり15分で見つけてしまったベルギーのレベルの高さを感じました。

小澤 おそらくベルギーは、事前に日本の守備方法をスカウティングしていたのでしょう。メルテンスがシャドーの位置にいた時は長友佑都が中にスライドして彼を見ていたんですけど、メルテンスが右サイドに張り出すようになった時は、長友が彼に引きつけられて、右ウイングバックのムニエがインナーラップをかけてくるようになりました。

 原口と違って左の乾貴士はそこまで相手のSBについていかないので、長友が2対1を作られて守備が混乱している場面が見受けられました。ただ、それに対して日本は無策でした。

倉敷 大会を通じて、日本はクリーンシートをひとつも作れませんでした。ただ、酒井宏樹のフィジカルの強さ、そして吉田麻也のコーチングは印象に残りました。パートナーが昌子源になって思いきって飛び込んでいけるようになったかもしれませんが、ロメル・ルカクをうまく昌子に抑えさせるなど吉田の判断力は傑出していたと思います。

 現地の中山さんに伺いたいのですが、西野監督がテクニカルエリアなどからプラン変更や戦術に対する指示を細かく送る様子は見られましたか?

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